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表て座敷へゆくみちさえわかればよかった。士分には取立てられたが、むろんまだめみえ以下のことで、表て座敷へはあがったことがないし、各役所の並んでいる建物から、杉戸口を御殿へはいった向うはまったく不案内といってよかった。せめて見当のつくところまでと思って、玄四郎は弥兵衛に話しかけながら、すばやく廊下を進んでいった。すると、畳廊下にかかるところで、「だめだ」と弥兵衛が立停った。
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