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ある朝、私は深い霧の中を学校の方へ出掛けたことが有った。五六町先は見えないほどの道を歩いて行くと、これから野面のらへ働きに行こうとする農夫、番小屋の側にションボリ立っている線路番人、霧に湿りながら貨物の車を押す中牛馬ちゅうぎゅうばの男なぞに逢った。そして私は――私自身それを感ずるように――この人達の手なぞが真紅まっかに腫はれるほどの寒い朝でも、皆な見かけほど気候に臆してはいないということを知った。
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