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専六は兵士との交まじわりが漸ようやく深くなって、この年五月にはとうとう「於軍務局楽手稽古被仰付ぐんむきょくにおいてがくしゅけいこおおせつけらる」という沙汰書さたしょを受けた。さて楽手の修行をしているうちに、十二月二十九日に山田源吾やまだげんごの養子になった。源吾は天保中津軽信順のぶゆきがいまだ致仕せざる時、側用人を勤めていたが、旨むねに忤さかって永ながの暇いとまになった。しかし他家に仕えようという念もなく、商估しょうこの業わざをも好まぬので、家の菩提所ぼだいしょなる本所中なかの郷ごうの普賢寺ふけんじの一房に※(「にんべん+就」、第3水準1-14-40)居しゅうきょし、日ごとに街ちまたに出いでて謡を歌って銭を乞こうた。
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