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「天武天皇紀」の吉野行幸の条に、※(「けものへん+臈のつくり」、第3水準1-87-81)者かりびと二十余人云々、または※(「けものへん+臈のつくり」、第3水準1-87-81)者之首などとあるのは、国樔くずのことでありましょう。国樔は「応神紀」に、其為人そのひととなり甚はなはだ淳朴也などともありまして、佐伯とは本来同じ種族でないように思われます。『北山抄ほくざんしょう』『江次第ごうしだい』の時代を経て、それよりもまた遙か後代まで名目を存していた、新春朝廷の国栖くずの奏は、最初には実際この者が山を出でて来り仕え、御贄みあえを献じたのに始まるのであります。『延喜式』の宮内式くないしきには、諸もろもろの節会せちえの時、国栖十二人笛工五人、合せて十七人を定としたとあります。古注には笛工の中の二人のみが、山城綴喜つづき郡にありとあります故に、他の十五人は年々現実に、もとは吉野の奥から召されたものでありましょう。『延喜式』のころまでは如何かと思いますが、現に神亀三年には、召出されたという記録が残っているのであります。
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