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演奏が畢おわってから、勝三郎らは花園を観みることを許された。園そのは太はなはだ広く、珍奇な花卉かきが多かった。園を過ぎて菜圃さいほに入いると、その傍かたわらに竹藪たけやぶがあって、筍たけのこが叢むらがり生じていた。主公が芸人らに、「お前たちが自分で抜いただけは、何本でも持って帰って好いいから勝手に抜け」といった。男女の芸人が争って抜いた。中には筍が抽ぬけると共に、尻餅しりもちを擣つくものもあった。主公はこれを見て興に入いった。筍の周囲の土は、予あらかじめ掘り起して、鬆ゆるめた後のちにまた掻かき寄せてあったそうである。それでも芸人らは容易たやすく抜くことを得なかった。家苞いえづとには筍を多く賜わった。抜かぬ人もその数には洩もれなかった。
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