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「上州方面にもはや、年来、甲州家に宿怨しゅくえんある輩ともがらが、織田の手廻しを迎え入れて、火の手をあげ、道を塞ふさいでいる。お館やかた以下大勢して、無難に通れようとは考えられぬ。如しかずこの上は、郡内の岩殿山いわどのやまにひとまず御籠城遊ばし、その上の御思案。そのまにはなお、四散したお味方も馳せ加わりましょうし……」
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