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思いすてて塵芥ちりあくたよりも軽かりし命は不思議にながらえて、熱去り苦痛薄らぎ食欲復するとともに、われにもあらで生を楽しむ心は動き、従って煩悩ぼんのうもわきぬ。蝉せみは殻を脱げども、人はおのれを脱のがれ得ざれば、戦いの熱ねつ病やまいの熱に中絶なかたえし記憶の糸はその体たいのやや癒いえてその心の平生へいぜいに復かえるとともにまたおのずから掀かかげ起こされざるを得ざりしなり。
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